家事のコンテンツは、こちらからご覧ください。私は家事のノウハウの専門家ではありませんが、家事の位置づけを解き明かす仕事をしてきました。たぶん世界でも稀で、書籍にしたのは私が最初と思います。
日本では少なくとも近代になって、女性の地位が大きく下がった近代以降、些末なこととして、暮らしや暮らしにかかわる営みが軽視されてきました。そのことが、人々のクオリティ・オブ・ライフを引き下げ、女性の役割が軽視される問題へとつながってきたのです。
しかし、人は食べなければ死んでしまいますし、家事がなされない環境で暮らし続けると健康を損ね、やはり死を招く危険が大きくなります。ケアも大切なことで、誰からもかえりみられることなく、自分で自分を大切にすることもなく、生き抜いていくのは本当に難しい。乳幼児はケアがされないと死んでしまいますし、子どもも人生を生き抜く力が弱くなります。大人も精神的に追い込まれ、うつになるなどやはり健康を損ねるリスクが高い。このように、家事とケアは、自分もしくは誰かが行ってくれないと、人間の暮らしは単にレベルが下がるだけでなく、生きることすらままならなくなります。そんなに重要な営みなのに、長らく取るに足らない、議論するに値しない問題と考えられてきたのはなぜでしょう? 家庭で家事やケアを引き受けている人が、モヤモヤを抱えつつ小さくなって暮らしてきたのはなぜでしょう? 仕事として家事やケアを引き受ける人たちの所得がとても低いのはなぜでしょう?
社会を回すうえでも、人が生きていくためにも必要不可欠なこれらの営みについて、一緒に考えていければ幸いです。
関連書籍
家事の連載はこちら。『FRaU』(講談社)「大人のためのカテイカ」
家事の連載は最初、『ハフポスト』で行いりました。
https://www.huffingtonpost.jp/author/ako-mari
noteが最初に書き始めたコンテンツです。今でも読まれ続けています。
https://note.com/acomari/m/m35ba27fb3e1b